株の配当金とは?
まず配当とは、会社が得た利益の一部を株主に支払う仕組みで、この株主に支払う利益(お金)を配当金と言います。
全ての会社が配当金を出すわけではない
会社(銘柄)によってこの配当金を出している銘柄と出していない銘柄があります。
例えば去年までは業績が良く配当金を出していたとしても、今年は何らかの理由で業績が一気に悪化してしまい配当金が出せない会社があります。そもそも利益が出てないので配当金も出せないというわけです。
連続配当する会社もある!でも日本と米国の差は歴然・・・
逆に利益が出ようが出まいが毎年配当を行う会社もあります。20年以上連続配当している企業としては花王が日本株では超有名で他にも馴染みのある企業だと小林製薬があります。18年以上だとリンナイなどがあります。
ちなみに米国株だと50年以上配当金を出している企業が30社ほどあります。20年以上連続配当している企業はなんと100社を超えます。
日本株と米国株はこれほど差があるのです。アメリカは投資家への還元を重視する傾向がそれだけ強いということです。
特にベンチャーは配当金を出さない
また利益が出ようが出まいが配当金を出さず、その利益を事業投資に回す会社もあります。事業投資に回すのはベンチャー企業などに多いです。
無配当で有名なのがAmazonやGoogleです。Appleも少し前まで無配当株として有名でした。
初心者の方は驚きますよね。こんな世界でもトップの企業たちが配当金を出さないなんて・・・と。
こうした企業は配当よりも事業への投資を重視しているんです。企業が成長すれば株価も上がりますからね。株価が上がれば投資家の資産も増えるというわけです。
なので株に投資したら必ず配当金が貰えるというわけではない事は覚えておきましょう!
では配当金はいくら貰えるのでしょうか?
配当金はいくら貰えるの?
配当金は「1株当たり50円」というように1株当たりいくらという形でもらえます。
例えばあなたがA社の株を100株持っていたとします。「1株当たり50円」であれば5,000円の配当金がもらえるというわけです。
【50円×100株=5,000円】
1,000株なら5万円、1万株なら50万円もらえます。
では実際に配当金を出している銘柄を見ながら、どんな銘柄がいくら配当金を出しているのかを見てみましょう。
あなたの資産を増やしてくれる銘柄に出会えるかもしれないので、じっくり確認してみて下さい。
実際に配当金を出している銘柄
今回は配当金を出している企業の中でも、より多く配当金を出している企業を見てみましょう。
参照するのはヤフーファイナンスの高配当利回りランキングです。データは常に変動するので2020年4月6日17時40分現在のものを使用します。よってリンク先のデータは常に最新のものになっているので以下の画像のデータとは異なります。
また「配当利回り」とは簡単に言うと各銘柄が「どのくらい儲かるか」を比較する指標です。数値が高ければ高いほど配当金が多く貰えます。配当利回りのより詳しい解説は最後に紹介します。
まずはここでは赤枠で囲っている配当金を見ていきましょう。
1位の昭和飛行機工業の配当金はなんと636円です。配当利回りは驚異の30.11%です。
2位のマクセルホールディングスも配当金は268円、配当利回りは27.10%とこれまたかなりの高配当ですね。
3位インヴィンシブル投資法人は3,459円、4位のジャパン・ホテル・リート投資法人は3,690円とどちらも配当金は3,000円を超えています。
9位のケネディクス商業リート投資法人は13,012円です。21位の星野リゾート・リート投資法人の配当金はなななんと26,474円です。
ここには載っていませんが、誰もが知っている企業の配当金もチェックしてみましょう。
トヨタ自動車(7203)の配当金
日本で有名な企業といえばトヨタですね。トヨタも配当金を出しています。
トヨタ自動車の直近の配当金と配当利回りは以下の通りです。
配当金 | 配当利回り |
220円 | 3.32% |
近年は連続的に配当金を出していますね。配当利回りは3.32%なので良い方です。
日産自動車(7201)の配当金
トヨタも有名ですが、日産も負けていません。日産自動車の直近の配当金と配当利回りは以下の通りです。
配当金 | 配当利回り |
57円 | 16.44% |
ゴーン事件など色々と問題のある日産ですが、2007~2019年までほぼ配当金を出しています。2009年は無配当でした。
配当利回りが16.44%はかなり高いです。
日本郵政(6178)の配当金
続いて郵便局でおなじみ日本郵政の直近の配当金と配当利回りです。
配当金 | 配当利回り |
50円 | 5.89% |
かんぽ生命の問題が発覚した日本郵政も2016~2020年まで配当金を出しています。
直近の配当利回りも5.89%とこれまた高いですね。
キリンホールディングス(2503)の配当金
キリンビールや飲料水でおなじみのキリンホールディングスの配当金は配当利回りです。
配当金 | 配当利回り |
65円 | 3.10% |
2011年から2020までコツコツと配当金の額を増やして倍以上にしています。
配当利回りも3.10%なのでトヨタ同様に悪くない数字です。
いかがでしたか?これで配当金に関しては理解が深まったと思います。
配当金とはこんな感じで1株当たり○○円という形でお金が受け取れるのです。
ただし、配当金の額だけで選んではいけません。重要なのは配当利回りです。
先程の画像でも登場しましたが、株式投資で配当金を狙うのであれば配当金ではなく配当利回りを参考に銘柄を選ばなくてはいけません。(※配当利回り以外にも参考にしないといけないデータはあります)
配当金を効率よく貰う指標「配当利回り」
最後にレベルは上がりますが、重要な配当利回りにも触れておきましょう。
例えば先ほど紹介した銘柄だと星野リゾート・リート投資法人が26,474円の配当金を出しダントツで配当していますよね。
しかし株価を見て下さい。298,800円です。約30万円です。
これに対して数値が似ている9位のケネディクス商業リート投資法人と比較してみます。
ケネディクス商業リート投資法人は配当金が13,012円なので約2倍(=2株購入)で星野リゾート・リート投資法人に近い配当金額になります。
(※ここでは単元株数(最低限購入しないといけない株式の数)は無視しています。)
しかし株価は129,900円なので2倍しても約26万円です。
株価で比較すると(星)約30万円対(ケ)約26万円です。なのにどちらも約26,000円の配当金が得られるという計算になります。
こうやって比較するとどちらが儲かるか分かり易いと思います。
つまり約26,000円の配当金を得るのに星野リゾートは約30万円の投資資金が必要なのに対し、ケネディクスは約26万円の資金で済むという事です。
単純にケネディクスの株価と配当金を2倍すると簡単に比較できます。
元々の表がこちらです。
株価 | 配当金 | 配当利回り | |
星野リゾート | 298,800円 | 26,474円 | 8.86% |
ケネディクス | 129,900円 | 13,012円 | 10.02% |
これをケネディクスだけ2倍して比較すると以下の通りです。
(※簡単に計算できるように株価と配当金の額を単純にしてあります。)
株価 | 配当金 | 配当利回り | |
星野リゾート | 約30万円 | 約26,000円 | 8.86% |
ケネディクス | (2倍)約26万円 | 約26,000円 | 10.02% |
この「どちらの方が儲かるか」を判断する指標が「配当利回り」です。
配当金と配当利回りの違いは、配当金は配当される金額なのに対し、配当利回りは1株当たりいくら貰えるかの割合です。
なので配当金狙いの銘柄選びは配当金の額で判断するのはないということです。配当利回りが重要なのです!
ちなみに1位の昭和飛行機工業と比較すると、なんと86,000円で約26,000円の配当金が受け取れる計算になります。株価にして約41倍です。(=41株購入)
株価 | 配当金 | 配当利回り | |
星野リゾート | 298,800円 | 26,474円 | 8.86% |
ケネディクス | 129,900円 | 13,012円 | 10.02% |
昭和飛行機工業 | 2,112円 | 636円 | 30.11% |
ケネディクスと昭和飛行機工業の配当金を星野リゾートの約26,000円に合わせると、以下の通りです。
株価 | 配当金 | 配当利回り | |
星野リゾート | 約30万円 | 約26,000円 | 8.86% |
ケネディクス | (2倍)約26万円 | 約26,000円 | 10.02% |
昭和飛行機工業 | (41倍)約8.6万円 | 約26,000円 | 30.11% |
どの銘柄がお得かは配当金額で揃えたこの表ならすぐに分かると思います。もちろん昭和飛行機工業ですよね。
わざわざ全ての株をこのように配当金で合わせていちいち計算しなくても、配当利回りを見ればすぐに分かるということです。
配当利回りに関してはヤフーファイナンスや証券会社のサイトで始めから表記されているのでわざわざ計算する必要もありません。
配当利回りをより詳しく学びたい方はこちらをどうぞ。