配当利回りとは?
配当利回りとは、かなり簡単に言うと「その株を所有していたら1年間でいくらもらえるか」の割合を示す指標のことです。指標はパーセント(%)で表します。
まず株には配当という仕組みがあります。配当とは、その株の所有者(株主)に対して利益の一部を分けて配る仕組みのことです。
これを配当金と言います。また配当金は1株当たりの金額で表記されます。
この配当金(1株当たりの配当金額)を株価(1株当りの価格)で割ると配当利回りがでます。計算式は以下の通りです。
配当金÷株価×100=配当利回り(%)
例えば株価10万円の株を1株買ったら1年間で1,000円もらえた(配当された)とします。
すると配当金は1,000円で配当利回りは1%です。
計算式に当てはめると【1,000円÷10万円×100=1%】
もし配当金が2,000円なら配当利回りは2%というわけです。
【2,000円÷10万円×100=2%】
ではこの配当利回りとはどんな時に役立つのでしょうか?
配当利回りはどんな時に役立つの?
冒頭で配当利回りとは、「その株を所有していたら1年間でいくらもらえるか」の割合を示す指標と言いましたね。
つまりこの配当利回りという指標を使えば、どの株の方が儲かるかが分かるのです。
ただし未来のことは誰にも分からないのであくまでも今後の配当額を予想したり、これまでの配当実績でいくら儲けたかを評価したい時に使います。
例えば以下の株はどちらが儲かりますか?配当リターンが多いですか?
A社:株価10万円、配当金1,000円
B社:株価10万円、配当金3,000円
答えはもちろんB社の株ですよね。これはどちらも株価が同じだから簡単に分かったと思います。
ちなみにこの時の配当利回りはA社1%、B社3%です。
でも実際に株価が同じということはほぼないです。次はもう少し具体的な数字で見てみましょう。
A社:株価10万円、配当金1,000円
B社:株価17万円、配当金2,500円
どうです?今度は株価も違うだけでなくB社の株価も配当金も若干計算しづらい金額にしたので難しいでしょ?
お!?答えがすぐに出せたあなたはそろばん教室通ってましたね!?
でもほとんどの人は瞬時にどちらの株が儲かるか(配当リターンが大きいか)分からなかったと思います。
答えはB社の株です。これを配当利回りで見るとすぐに分かかるというわけです。
先程と同じくA社の配当利回りは1%なのに対し、B社は1.47%です。
なのでB社が0.47%上回っています。配当金としての儲け(リターン)はB社の方が良いという評価が下せるわけです。
実際の株価と配当金で配当利回りを計算してみる
続いて実在する会社の株価と配当金で配当利回りを計算してみましょう。
株価と配当金はヤフーファイナンスのデータを使用しますが、数値は常に変動するので2020年4月3日18時40分時点のものを使用します。
これは東京証券取引所1部の高配当ランキングです。
図には既に配当利回りは記載されているので、実際に計算して答えが当たっているか一緒に確認していきましょう。
その前に配当利回りの計算式覚えてますか?もう一度しっかり覚えて下さい。
配当金÷株価×100=配当利回り(%)
覚えましたか?
そしたらまずは13位のあおぞら銀行の配当利回りを出してみましょう。
あおぞら銀行の配当利回り
あおぞら銀行の株価は1,831円、配当金は156円です。配当利回りは8.52%と記載されています。当たっているか計算して確認しましょう。
【156円÷1,831円×100=8.52%】
はい、計算してみるときちんと8.52%になりますね。小数第三位は四捨五入されています。
さすが高配当ランキング13位なだけあります。8.52%はかなり高いですね。
SUBARUの配当利回り
続いて15位のSUBARUの配当利回りを出してみましょう。配当利回りは8.4%とあります。
株価は1,715円、配当金は144円です。
【144円÷1,715円×100=8.4%】
はい、こちらも正解です。
JTの配当利回り
最後にJTの配当利回りです。
株価は1,911.5円、配当金は154円です。配当利回りは8.06%です。確認します。
【154円÷1,911.5円×100=8.06%】
はい、JTも無事当たっていました。
株式投資と銀行預金は28,000倍の差!
それにしてもトップ5は配当利回りが10%以上もあります。マクセルホールディングスなんて27.83%ですよ!?
1,000株(約100万円)持っていたら年間268,000円の配当金が受け取れます。
今の時代、銀行に100万円預けても金利は0.001%とかなので利息はたったの10円です・・・。
約28,000倍の差です。
同じ100万円でも株式投資と銀行預金では得られる利益の差がこれほどあるのです。
もちろんマクセルホールディングスが1位の超高配当銘柄ということもありますが、先程事例で紹介した、あおぞら銀行、SUBARU、JTにしても8%以上はあるので約100万円投資すると8万円以上の配当金が得られるという事です。
この3社は株価が約1,700~1,900円なので約100万円だと購入できるのは約520~580株ですが、それでも年間8万円以上の利益があるなら銀行預金よりはるかに良いでしょう。
その利益で株を買い足せばさらに受け取れる配当金は増えますよね。これが複利効果、複利運用というやつです。
多くのお金持ちはこうやって配当金などを上手く活用して雪だるま式に試算を増やしているんです。
もちろん株価が下落したり、配当金が減ったり(減配)、配当金が無くなったり(無配当)、最悪倒産してその企業に投資したお金を全て失うというリスクもありますが、銀行もいつ潰れるか分かりません。
一般の企業よりはリスクは低いでしょうが、銀行も潰れない保証はどこにもありません。
それに銀行にお金を預けていてもほぼ増えません。なのに物価は少しずつ少しずつ上っていきます。
昔は自販機の飲み物が100円で買えましたが、今は150円160円は当たり前です。こうやって徐々に物価は上がってくのに、持っている現金は銀行に預けているだけではほぼ増えません。
100万円銀行に預けるというのは100万円貸してるのと同じです。その御礼が年間10円です。1,000万貸しても利息はたった100円・・・。
この事に日本人も気づき始めているんです。だから投資をする人が増えているんです。僕もその一人です。
リスクの取り方は人それぞれです。配当利回りを学ぶということはあなたも初心者のはず。
リスクを多く取りすぎるのは怖いと思うので、もし投資をしてみたいなら、まずは最悪0になってもいいくらいの少額で投資をしてみて、株式投資がどんなものかを感じてみることをおすすめします。