EXコインでちょくちょく出てくるバンコールやら超国家通貨やらはいったい何のことでしょう?
ということで今回はEXコインの基となっているバンコール構想について学びたいと思います。
バンコール(超国家通貨)とは
バンコールを簡単にまとめると、国と国との取引や貿易の決済手段にのみ使える通貨です。
バンコールの由来は英語のbank(銀行)と仏語のor(金)を組み合わせたものです。
難しく解説すると、イギリスの経済学者のケインズとシューマッハが第二次世界大戦の混乱した世界経済を安定させるために提案したのがバンコール構想である。
ブレトンウッズ会議(アメリカのニューハンプシャー州ブレトンウッズ で開催)でケインズとシューマッハが提案するも、米国の強い反対により採用されませんでした。
そしてバンコールの代わりに、 世界銀行とIMFの管理下のもと、 金(きん)と米ドルを1オンス35USドルに固定し、米ドルを基軸通貨として各国通貨との交換比率を一定に保つ固定為替相場制(金本位制)を取り入れました。
これをブレトンウッズ体制といい、1945から1971年のニクソンショックまで続きました。
むずっ!汗
バンコール構想の内容
バンコール構想は国家間の取引や貿易でのみ使用される通貨として「バンコール」という超国家通貨を導入することで世界経済を安定させようというものです。
超国家通貨とはいっても、日常で一般人が使える通貨ではありません。
国と国とが貿易をする際に用いられる通貨で、これは厳密には会計帳簿上の「単位」として使われます。
またバンコールは固定為替相場ですが、調整可能とされています。
かなりざっくりと例えてみます。
ベルギーがチョコ1トン(200万フラン相当)を日本に輸出するとします。
まずベルギーがICU(世界の中央銀行のような機関)に「ベルギーから日本にチョコ1トン輸出します」と申請します。
※ICU:The International Clearing Union 国際清算同盟
そしたらICUから代金としてベルギーに100バンコール支払われます。
すると今度は日本がこのチョコを受取る代金として円でもなくフラン(ベルギーの昔の通貨)でもなく、100バンコールをICUに支払います。
つまり輸出するとバンコールが入ってきて、輸入するとバンコールを支払います。
その間に立つのがICUで、使用する通貨をバンコールと名付けたわけです。これがバンコール構想のざっくりとした内容です。
そして各国の会計帳簿には何バンコール入って何バンコール出たと記帳されるので、バンコールは帳簿上の単位として使われているというわけです。
現在のベルギーの通貨はユーロですが、バンコール構想は昔の話なので敢えてフランにし、為替は内容をわかり易くするために適当に決めました。
バンコールは保有量に上限がある(罰金有り)
バンコールは保有している分で貿易などを行いますが、保有する量には上限が設けられています。
輸入(出費)が少なく輸出(収入)ばかりになるとバンコールがどんどんその国に入ってきてしまいます。
これはその国にとっては良いことかもしれませんが、貿易相手国にしてみれば輸入(出費)ばかりが増える、つまり「買わされてばっかりで儲からない」状態になるので不満がたまります。これが発展すると戦争になります。
これを防ぐためにケインズらは保有できるバンコールの量に制限を設けたのです。
制限される量は「過去5年間の貿易収支の平均の1/2」です。ざっくりいうと、過去5年間の貿易収支の平均の半分までということです。
あれ?例えになっていませんね。ごめんなさい。
例えばA国の過去5年間の貿易収支の平均が1,000億円の赤字だったとして、その半分の500億円分相当まではバンコールを借りられる(保有できる)ということです。(分かりやすいように円にしています)
つまり500億円の借金です。500億円までならOKというわけです。
500億円分を超えると、超えた分に対してペナルティとして利子を支払わされます。
まあ平たく言えば罰金を取られるみたいなことです。
ただペナルティは上限を超えてすぐに課されるわけではなく、上限を超えたらまずは自国通貨の切り下げをさせます。
通貨の切り下げとは、その国(ここではA国)の通貨の価値を下げるということです。
【通貨の切り下げ】
例えば100円=1ドルだったのを100円=0.5ドル(50セント)にするといった行為です。
今までは100円で1ドル買えていたのに、0.5ドル(50セント)しか買えなくなるということは円の価値が切り下げられたということです。
ドルをリンゴに置き換えると分かりやすいです。100円で1個買えてたのに、半分しか買えなくなる、つまり円の価値が半分に下がったわけです。
ここが分かりやすいです。
通貨の切り下げをすることによって、貿易相手国(ここではB国)からすれば今までよりもA国の物が安く買えるのでどんどん買いますよね。
逆にA国からみるとB国の物は高くなっているのであまり買えないので、輸入が減ります。つまり出費が減ります。
よってA国は輸出(収入)が増え輸入(出費)が減るので借金を減らせるわけです。そうするといずれは借金が500億円(分のバンコール)の範囲内に収まりす。
もし通貨の切り下げでも500億円分のバンコールを超えて改善されない場合は、超えた分にペナルティ(利子)が課せられるというわけです。
銀行が融資している企業にやるのと同じですよね。「借金多いんだから利益増やして出費へらせ」ということです。
しかし!
バンコール構想はあくまでも世界経済を安定させるのが目的だったので、貿易赤字国だけでなく、貿易黒字国にもバンコールの保有量に上限を設けています。
黒字国は上限超えたら没収
先ほどと仕組みは同じです。先ほどと違って借金をするのではなく、実際にバンコールを持っているわけです。(厳密には債権。受け取れる権利。)
簡単に例えると、A国の過去5年間の貿易収支の平均が1,000億円の黒字だったとして、その半分の500億円分相当まではバンコールを保有できるということです。
それ以上になると、超えた分はICUに没収されます。
まず500億円分以上のバンコールを保有してしまった場合、通貨の切り上げを指示されます。
【通貨の切り上げ】
例えば100円=1ドルだったのを100円=2ドルにするといった行為です。
今までは100円で1ドルでしたが、2ドル買えちゃうということは円の価値が上がった、つまり切り上げられたということです。
リンゴが100円で1個だったのが、2個になったのと同じです。円の価値が上がっているから2個もらえます。
通貨が切り上げられることにより、A国の品物は貿易相手国(B国)からすれば高くなるのであまり売れなくなります。(A国は輸出減、収入減)
逆にA国からすればB国の物が安くなるのでたくさん買えます。(A国は輸入増、出費増)
よってA国は輸出(収入)が減り、輸入(出費)が増えるので黒字が減って500億円(分のバンコール)の範囲内に徐々に収まっていきます。
通貨の切り上げでも改善されない場合は、500億円を超えた分はICUに没収され国際警察や災害救助などに使われます。
黒字国は利益を没収されたくないので、上限を守ろうと出費(輸入)を増やすため、赤字国は自然と収入(輸出)が増えるようになります。
没収されるくらいなら物と交換した方が良いですからね。
そしてこれまで世界は金(きん)を通貨の裏付け(金本位制)として使用していましたが、バンコールによって金も通貨も国家間の移動はなくり便利になります。
経済の安定と利便性の向上、これがケインズとシューマッハが提案したバンコール構想です。
どこかEXコインと似てますね。
バンコール構想は上手くいかなかった説
バンコール構想は米国の強い反対により採用されませんでしたが、採用されていても上手くいかなかったと僕は思います。
資本主義で経済が自由に成長していくのに対して、上限に蓋をしてしまう(黒字国に儲けさせないよう規制する)と成長が止まりませんか?
頑張っても報われないなら頑張りますかね?
頑張っても上限超えた分は没収されたら一生懸命働きますかね?
ん~僕なら嫌です。プロ野球選手がホームラン10本打ったのに、上限で7本までだからあとの3本は没収で記録として残らないと言われるのと同じ気がします。これでいったい誰が頑張るんでしょう?
自分で寄付するなり何なりするなら全然構いませんが、上限設定されて超えたら没収されるなら始めから適当に頑張ります。一生懸命はやりません。
おまけに不要なものまで輸入して儲けを調整するって、そしたらその輸入品と同じ分野の自国企業は自社の物が売れなくなって困りますよね?倒産、失業の嵐ですよ。
そしたらどうなるか・・・そう、戦争です。
今のようなテクノロジーの進化もなかったと思います。(僕は今後のテクノロジーの進化にかなり期待しています。文系ですけど何か?w)
僕と同じような考えの人もいたので載せておきます。この方は詳しいです。しかも最近の投稿なのでEXコインを知っている人かもしれませんね。
ちなみにEXコインは資産の増えることには上限は設けていません。減る分には過去最高値の50%以下にはならないように設計されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
以上です。っふ~。かなり疲れました。
バンコール構想に関する参考資料載せておきます。
僕も何度も何度も読んで理解したつもりですが、間違っていたらごめんなさい。
今日はこのへんで!
あなたのEXコインライフに幸運を!