IMF「ステーブルコインは本当に安定しているのか?」
ステーブルコインは簡単に言うと、価格変動のない仮想通貨のことです。
仕組みはドルや円やユーロといった世界で信用力のある通貨(法定通貨)とステーブルコインを交換(連動させて)して価格を安定させます。
ビットコインなどの価格が乱高下する仮想通貨に比べ、ステーブルコインは法定通貨を担保にしているため価格が安定しているとされていますが、IMFはこれに大いに疑問があるようです。
IMFは2019年9月26日のブログで「ステーブルコインは、本当に安定しているのか」と問題提起しました。
要約すると、「ステーブルコインの発行者は倒産したりパニック売りが起きた場合でも、コイン所有者に対して現金と交換できる体制なのか?」という問題提起をしています。
テザー問題
ステーブルコインの中でもTether社が発行するテザー(USDT)というステーブルコインは様々な問題が取り沙汰されており、ついにはNY州司法長官がTether社に訴訟を起こしました。
訴訟内容は端的にまとめると、テザーで集めた現金(米ドル)を関連会社の損失補填に使ってしまったというものです。その額なんと7億ドル・・・。
テザーは当初は米ドルと1:1で交換しそのドルは保管しておくといって利用者を集めて一躍時の仮想通貨となりましたが、訴訟の過程で74%しかドルを保有していないことを公式で認めてしまいました。
これはIMFが問題提起するのも当然ですよね。ドルと1:1で交換できない可能性が高まりますからね。
しかもテザーを扱う仮想通貨取引所のBitfinex社(Tether社とCEOが同じ人物)は、2018年10月にはドルの入出金を停止しするという問題も起こしています。
この原因はテザーの準備金を関連会社に使ったためだと言われています。
1:1で交換できる保証も無い、顧客が引き出したい時に引き出せない、これが安定している通貨と言えるでしょうか?安心して使える通貨となるでしょうか?
IMF「ステーブルコイン発行者はホルダーの資産を守れ」
IMFはテザーをはじめ多くのステーブルコイン発行者が、交換した法定通貨を保管している保証はどこにもないし、倒産した場合も現金に交換してもらえないリスクがると指摘しています。
ほとんどの国で保有者を守る法規制がないのが現状です。
この現状を重く見たIMFはステーブルコインの安定性や利便性といったメリットを活かすためにも、ステーブルコイン発行者はホルダーの資産を守るよう法規制の提言をしています。
提言は2つあります。
提言①:発行したステーブルコインと同額の現金を保有せよ
1つ目は、簡潔にまとめると、各国はステーブルコインの発行者に対して発行したステーブルコインと同額の現金を保有することを義務づけるというものです。
ステーブルコインと法定通貨を1:1で交換するなら、その交換した分は必ず保有させるよう法規制を作りなさいということです。
これはそもそもステーブルコイン発行者は募集の段階でそういって募集しているわけですが、しっかりと法律で規制せよということですね。
提言②:その現金を中央銀行に預けよ
2つ目は、そのステーブルコインと交換した現金を自分たちで保管せず中央銀行に預けさせるよう義務付けるというものです。
自分たちで保有していたらテザーのように関連会社に使ってしまいますからね。これは何もテザーや他のステーブルコインに限った話ではありません。他の仮想通貨や取引所にも言えることです。
実際顧客のお金を使ってしまったという事例は他にもありますし、仮想通貨業界だけでなく他の業界でも顧客のお金を横領する事件は多いです。
よって、横領されにくいように第三者に預けるよう法律で規制せよと言っているわけです。
必ず中央銀行である必要はないと思います。そもそも銀行の銀行である中央銀行が一般企業と取引する必要性もないでしょう。信託銀行などもありますからね。
とにかく自分たちで勝手に使えないように、第三者に管理させることを法律で義務付けなさいということです。
なぜステーブルコイン発行者は積極的に現金を保管しないのか?
IMFの提言は画期的でも何でもありませんよね。ステーブルコインの本来の目的通りに運営しなさいと言っているだけです。
既にある銀行を使うだけなので難しくもないのですが、なぜステーブルコイン発行者はそうしないのでしょう?
おそらく第三者に預けるにはそれなりのコストがかかるからでしょう。
あるいは、はじめからステーブルコインで得た現金を投資や自社のビジネスに使うつもりなのかもしれません。
いづれは既存の銀行のように融資ビジネスをと考えていてもおかしくありません。
そんなことしたらステーブルコインの「安心して使える仮想通貨」という魅力が薄れてしまい、ニーズはなくなっていくことになぜ気づかないんでしょうか?
きちんとステーブルコインの本来の目的通りにやればいいだけなのに・・・。やはり人間が管理するので、現金が手元にあると誘惑に負けちゃうんでしょうね。
でもきちんと現金が保証されているステーブルコインがあれば皆さん使いますよね?
実はあるんです。まだ知られていないだけで、既にIMFの提言を唯一守っている仮想通貨が存在するんです。
IMFの提言を唯一守っている仮想通貨が存在する
結論回言うと、EXコイン(EXC)が唯一IMFの上記の提言を満たしています。法律で義務付ける前から、そうなることを想定して設計されています。
仕組みはこうです。
EXコインはテザーのような法定通貨と1:1で交換できるステーブルコインではありませんが、購入した額の50%以下にならない保証がされています。
上手い話に聞こえますが単純な方法です。
EXコインは最高値を1ドル更新する度にEXCプラットフォームのデジタル中央銀行から1枚コインが市場に売られます。
この時にEXコインと交換したUSドルをAIで管理されたデジタル中央銀行に全て保管しておきます。
人間ではなくAIが管理します。
そしてもしEXコインの価格が暴落して過去最高値の50%まできたら、デジタル中央銀行が買いオペを自動で発動します。
細かい解説は省きますが、この方法だと計算上購入価格の50%以下になりません。
100万円分買えば、50万円以下にはならなりません。
信じられない話ですが、本当の話です。しかも単純な算数です。1枚ずつコインを販売したらそれを貯金するだけです。そうすると市場にある全てのEXコインを買い支えるだけの現金がデジタル中央銀行に貯まるんです。
しかもこれ、日本で特許取得済みです。現在はヨーロッパとアメリカで出願中です。
日本でということはつまり・・・開発者はなんと日本人です。しかも使っている技術は皆さんが既に信頼してかつ便利に毎日使っているFeliCaです。
このFeliCaの開発者がEXコインの開発者の一人でもあります。
FeliCaとは
Suicaやpasmo、nanacoやWAONなど日本のICカードのほとんどに使われている非接触型通信技術です。そしておサイフケータイに使われているのもFeliCaです。世界標準規格の一つです。
EXコインは2018年11月30日に取引を開始してたので、まだまだ新しいデジタル通貨です。広告も一切行っていないためまだまだ認知度は低いですが、もうすぐどこかの国が導入するかもしれません。
週刊エコノミストによると、現在7~8カ国と話が進行中だそうです。
興味があるかたはEXコインの詳細を読んでみて下さい。もしあなたが仮想通貨にある程度詳しい方なら、よりそのポテンシャルの高さに驚くと思います。
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