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中国のキャッシュレス決済はQRコードから顔認証へ

今回は中国のキャッシュレス事情に迫ります!

中国は急激にキャッシュレス化した国として有名です。その背景は何も時代を先読みして下した決断ではなく、複雑な問題がありました。

その経緯を見てましょう。

中国がキャッシュレス化した理由(背景)

中国のキャッシュレス化が急速に進んだ理由には、偽札や脱税が横行していた背景があります。

偽札が多かったこともあって中国の人たちは自国の人民元(法定通貨)を信用していませんでした。(おそらく今も?)

また脱税も横行しており、政府はなんとかこの課題を克服したいという思いが強かったわけです。

そして中国は国土も広いので現金を運搬するコストもかかりますからね。

だから積極的にキャッシュレス化さざるを得なかったという事情があったわけです。

決して先見の明がったとかではなく、そうせざるを得なかったという経緯があります。

スマホの普及が中国をキャッシュレス大国にさせた

中国のキャッシュレス化を実現させたのはスマホの爆発的な普及でした。

まだまだ低所得者が多かった中国でも、パソコンと違ってスマホは安い機種もあるため高所得者から低所得者まで誰でも簡単に手に入れることができました。

それで中国全土にスマホが爆発的に普及したという経緯があります。

そしてスマホがあればインターネット経由で決済が可能なため、ここで一気にスマホ決済ができる環境が整ったわけです。

銀聯カードからQRコードが主流になった理由(Alipay、Wechat Payの登場)

中国には国が主導して誕生した銀聯(ぎんれん)カードという発行枚数世界一のデビットカード(中国の人はクレジットカードと呼ぶ)がありましたが、それにはお店側で読み取り機の導入・維持費を負担しなければなりませんでした。

そこに登場したのがアリババのAlipayとテンセントのWechat Payなどの「QRコード決済」です。

QRコード決済は、QRコードを紙に印刷しそれをスマホで読み取るだけで決済できるため一気に銀聯カードのシェアを奪いました。

この勢いは凄まじく、日本にも影響してQRコードブームを巻き起こしたほどです。

しかしこれには大きな落とし穴がありました。

銀聯カードがなぜ実質クレジットカードではなくデビットカードかというと、与信審査に通る人間が中国にはほとんどいないからです。審査に通るのは一部の富裕層だけです。 現状でも2割程度と少ないようです。だからほとんどの人はデビットカード機能しか使えないわけです。

技術は進化しても人を騙す国民性は変わらなかった

ちょっと厳しい言い方ですが、キャッシュレス大国に躍り出て世界から注目を浴びる中国ですが、成長したのは技術だけだったようです。

国民性は相変わらずでした。

というのも中国で大人気の紙で決済ができる「QRコード決済」ですが、この紙でできたQRコードの上から、自分にお金が支払われるよう自分のQRコードを貼りつける行為が社会問題となり日本のメディアでも取り上げられました。

他人のQRコードを背後から盗み見てスキャンするという事まで起こりました。

他にもキャッシュレス社会なのにお金を盗み取られる事件が毎日のようにメディアで取り上げられるようになっていきました。

衝撃! キャッシュレス大国・中国の「知られざる闇」(姫田 小夏) @moneygendai
「いまどきの中国人は財布なんて持たないのさ」――そんなコメントをよく聞く。日本に来た中国人観光客は、財布を開いて小銭を数える日本人をチラ見して、「中国は完全に日本を抜いた」と溜飲を下げているらしい。だが、「財布を持たない」なんてホントなのか...

(この記事では現金主義を推していますが、古い記事ですし時代はデジタル通貨の実現へと着々と進んでいます。)

中国のこういったQRコードの犯罪行為が日本では起こらないとはいいませんが、現金が信用でき他人がある程度信用できる世の中を実現できたことは日本人として正直誇らしいです。

ただ今後はキャッシュレス化必須です!

無駄をなくすのが下手な日本人も、考えを改めないと衰退しか残っていません。

QRコード決済から顔認証決済へ

多くの問題を抱えていたQRコード決済ですが、時代はいよいよ顔認証で決済できる方向へと進んでいます。

顔認証決済とは、文字通り顔を機械に読み取らせて本人確認し決済を行うシステムです。

日本では「中国といえばQRコード決済」のイメージがまだまだ強いですが、中国国内では既に導入する店舗が増えています。

QRコードはもう古い、アリババやテンセントが進めるのは「顔認証決済」
2015年時点でキャッシュレス比率60%を誇る中国では、QRコード決済が常識になっていることは有名だ。日本でも多くのQRコード決済サービスが登場し、その普及率を各社が競っている状況であるが、中国はすでに次のステージへ進んでいるという。それが...

ちょうど前回の記事でも紹介しましたが、実は日本でもセブンイレブンなどで顔認証決済がスタートしています。

顔認証決済はプライバシーの心配がある。でもそれって本当?

顔認証決済はプライバシーの心配があるという人は少なくないと思います。

僕はどちらかというとそこまで心配していない方です。

そもそも顔認証システムは個人を特定する手段で使われます。個人を特定する行為は何も顔認証決済に始まったことではありません。

例えば皆さんが大好きなポイントカードですが、あれは「あなた(そのカードの持ち主)がいつどのお店で何をいくら分買ったか教えてね」カードだってこと知ってました?

ポイントカードは個人情報を0.5~1%という超低価格で自ら売っているに過ぎません。

僕もよくドラックストアやスーパーなどでポイント何倍セールの行列に巻き込まれますが、あれって購入金額の5%とか10%とかで個人情報を売っているんですよ?

1万円分商品を購入したとすると、1,000円で個人情報を売っているわけです。

あなたはドラッグストアの店員が出口で「何をいくら分買ったか調べさせて下さい。そしたら1%還元しますから!」って言ってきたら断りますか?

1%だと1万円分買っても100円の還元しかありません。

断る人が多いと思います。でも、レジでポイントカードという名称にするとみんなこぞって欲しがるんですよね。

しかもポイントだから使えるお店は限られるので使い勝手は現金ほど良くないのに、みんなこぞって欲しがるんですよね。

つまり何が言いたいかというと、既に多くの人が個人情報は提供しているわけです。顔認証決済だけが個人情報を取っているわけではないんです。

防犯カメラだって今ではどのコンビニにもスーパーにもありますからね。顔はかなり前からバレバレなのです。

ちなみに数年前からスマホは指紋認証や顔認証でロック解除ですよね。

それがスマホメーカーに渡っていない保証はどこにもありませんよ?

心配するより、上手く付き合う方がメリットを受けられるし、逆に心配しても時代の流れは止められません。

どうしても逆らって生きたいという人は現金しか扱わない田舎の小さな商店などに毎回通うしか無いでしょう。

そもそも現金があと何年社会に流通しているか分かりませんが・・・。

まとめ

中国は偽札や脱税などの課題が深刻で仕方なくキャッシュレス化へ進んだという経緯がありましたが、現在はキャッシュレス先進国の代表格となっています。

日本も遅かれ早かれキャッシュレス社会に必ずなります。抵抗してもこの流れはもう止められません。

だって、現金というものは年間数兆円、いやそれ以上のコストが掛かっているわけなのでそれを削減して国として出費を抑えようというのが世界の流れなのです。

日本だけで、ましてや一個人で抗えるものではありません。上手く付き合うためにもアンテナを張っておきましょう!

日本でも本格的なキャッシュレス化に向けて大企業が30社以上も集まってディーカレットという仮想通貨取引所(デジタル通貨のメインバンク)を誕生させました。これを国が認可したということは、日本としてキャッシュレス化を本格的に進めていくという意思表示だと僕は捉えています。

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